【社労士が解説】子の看護休暇の時間単位取得と両立支援等助成金について

我が国において少子化が進行し人口減少の時代を迎えるなか、仕事と家庭が両立しやすい職場づくりは、社会全体の活力の維持に繋がり、企業にとっても優秀な人材の確保・育成・定着にも繋がるメリットがあるものです。

育児を行う労働者の支援措置として下記のような制度がありますが、⑥の子の看護休暇について令和3年1月1日から時間単位の取得が可能となります。

現行の子の看護休暇制度の概要

①小学校就学前までの子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより年に5日まで(対象者が2人以上であれば年に10日まで)1日単位又は半日単位 (1日の所定労働時間の2分の1)で、傷病の子の世話や予防接種などの為に、子の看護休暇を取得することができます。

②対象となる労働者は、原則として全ての男女労働者(日々雇用者を除く)。 ただし、労使協定がある場合は、事業主は以下の労働者からの申出を拒むことができます。

1.勤続6ヶ月未満の労働者
2.週の所定労働日数が2日以下の労働者
3.半日単位で子の看護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者

令和3年1月1日から改正

時間単位取得が可能となり、改正のポイントを整理すると次のようになります。

『中抜け』とは、就業時間の途中から時間単位の休暇を取得し、就業時間の途中に再び職場に戻ることを言います。

事業主の対応について

①子の看護休暇の申出については、直前の申出であっても事業主は基本的に拒否できないということが原則です。 事業主への申出は、原則書面によることとし、事後の提出を認める一方で保育所等を休んだ事が分る書類や病院等の領収書の添付について、過度の負担とならないよう配慮した上で提出を求める事など就業規則の変更検討が必要でしょう。

②事業主には、『中抜け』ありの時間単位での休暇取得を認めるよう配慮が求められています。また、時間単位での取得は出来ないが半日単位であれば取得可能な場合は半日単位の取得を認めるよう配慮がもとめられています。

③休暇期間中の賃金支払義務はありませんが、中小企業事業主が育児・介護休業法に規定する子の看護休暇制度を上回る措置として、有給休暇であって時間を単位として取得する制度を整備し労働者に利用させた場合、両立支援等助成金の育児休業等支援コース職場復帰後支援の対象となります。この助成金は、制度導入時に285,000円、制度利用時に休暇1時間当たり1,000円の支給を制定(支給要件あり)しております。助成金を活用したワークライフバランスのとれた職場の実現も期待されます。


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※文書作成日時点での法令に基づいて執筆された記事です

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